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荒野に針路を取れ
泣ける=いい映画の法則はニガテとするところだし、
いい映画と好き映画はまた違うし、雑食系だし、邪な気持ちでも観るし、
ってほど観てもいないけど、鑑賞後、マスカラチェックしながら思った。
久しぶりにいい映画を見たな…と。

■ cinema memo Into the Wild (試写会)〜09中旬公開予定
恵まれた境遇もすべて捨て、ヒッチハイクでアメリカを横断、
最後は徒歩でアラスカの荒野へと分け入った青年の心の軌跡を追う物語。



実話感や最初から明かされている結末が匂うことでの重苦しさ、
無茶とも言える自分探しの軽々しさは、ふと打ち消されていた。
手をのばし「生」を模索する姿が、ただただ悲しいほど美しく眩しい旅。
すべてがかけがえのないものに思え、あっという間の148分だった。

息子が突然姿を消したことで複雑な心境の両親、兄を慕っていた妹、
青年が旅先で出逢う人々の存在、そして、残酷なまでに美しい大自然が、
彼の旅を多角度から照らし作る深い陰影。
そこにとても大きなものを見せられた気がして。
青年がひとり荒野で見たものに、体が震えだし涙が止まらなかった。
Happiness only real when shared】←※ネタバレになります
この一文に宿る深い余韻、しばらく消えそうにありません。

主演のエミール・ハーシュくん。いい笑顔にいい表情。熱い役者魂。
最初の方で、一瞬、痩せたジャック・ブラックに見えたことは内緒です。
※監督/脚本 ショーン・ペン 原作/「荒野へ」(ジョン・クラカワー)


■ BOOK MEMO 荒野へ ジョン・クラカワー
余韻とともに原作を読んでみたのだけど、映画→原作で正解と思った。
実際の調査を元にとは言え、あくまでも憶測や主観な部分もあるだろうし、
亡き者に対する想いは、美談寄りに濾過される部分もあると思うけど、
より複雑な青年像、死因の見解、そして残された人々のその後など、
映画では描かれていない面にまた色々と感慨深いものがあった。

中でも、孤独な老人フランツのその後。
ある意味ドラマより切ない事実と彼の想いに胸つまり涙溢れた。

青年の行動は、たしかに非難されるべきところもないとは言えない。
でもそれは、不幸にも命を落としてしまったがゆえの結果論な気もする。
そんな勝手な結果論をもっとも忌み嫌いそうな青年は、幸か不幸か、
全てのものから開放されているということがなんとも皮肉なのだけど。

それにしても、ショーン・ペンは実にうまい部分を切り抜いたと思う。
親の権威など、少々残酷なまでに肉を削ぎ落とすことで見えた骨格は
尊いものであったと(わたしには)思えたから。
願わくば、青年の両親もそう感じているといいなと思った。
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